立ちションあるいはションベンフェチという性癖について個人的に思うことを吐き出してみたいと思う。性的指向は虹色だとか言われるように、色はPC上でも今は32色でも256色でもなくて、24ビットのフルカラーで1677万色なのだから、たぶんみんな違うし、こうやって文章にしてみることで、同じような人の心に刺さればいいのかなと思う。
まず大前提として、トイレではないところで立ちションをしている男を見るのが好きで好きでたまらないのであるが、ためしがき氏はその立ちションをしている男とお付き合いをしたいという感情は抱かない。その立ちションをしている男が、どんなにタイプでも、どんなに体つきが好みでも、プリップリのケツでエロい肉付きでも、恋愛感情には直結しない。もちろん、そういった立ちションを目撃したのならば、必ず勃起はするし我慢汁もだらだら出る。そして、その立ちションの場面を脳裏に焼き付け、想像という映像で帰宅後にシコることも当たり前にする。だが、その時に、チ●コに性的魅力を感じることはあまりなく、想像で浮かび上がるのは、放出されているションベンの放物線や、ビチャビチャと濡れる地面、あるいは、アスファルトが吸いきれず行き場を失い泡立つションベンである。でもこれは、男でシコっていることを否定する文脈ではない。立ちションをしている男の全体像とかシルエットの男らしさには興奮するし、結局は立ちションをしている「男性」そのものを考えることで興奮して、最後に射精する。
以前の記事でも書いたと思うが、チ●コの形を選り好みしないとは、つまりそういうことだったりするのである。なので、ネットで流れてくる立ちション動画において、チ●コが写っていなかったり、あるいはモザイクがかけられていても十分満足できてしまう。だからと言って、女性のオシッコに興奮するかと言えば、興奮しないというか、興奮したくない。(後述する)
性的指向として、オーラルセックスにも興味がない。アイスキャンディーを食べるようにペロペロと吸い付いている様子は、正直なところ吐き気がしてしまう。試してみたこともあるが、できなかったし、反対に、されることも気持ちはよくなくて、ただもちろん、刺激されるから反射的に勃起はするし射精もするのだが、興奮するポイントが一切なかったし、次回もまたフェラしてもらいたい、とは思わなかった。唾液も臭くて気持ち悪い。(ションベンは平気なのに、唾液は無理とかイミフだよ)こんな感じだから、アナルセックスなんて経験もないし、今後もそれをやってみたい、やられてみたいとも思わない。ザーメンや他人のオナニーにも、興味がないし、世間一般のゲイビデオのシチュエーションでヌいたことも、ほとんど無い。
でも、男がションベンをしているところは見たいのである。相手がゲイであっても、見てくれが「男」の許容範囲でさえあれば、ションベンをしている姿はなんでもエロく感じてしまう。この時、ションベンが出るチ●コを見ないわけにはいかないのであるが、ションベンを出している最中のチ●コにはエロさを感じるし、ずっと眺めていたい。でも、ションベンが出し終わった瞬間から、チ●コには用は無いのである。なんとも贅沢で特殊な性癖なのであろうか。要するに、目の前の男がションベンを出し終わってしまった瞬間から、ためしがき氏の興味の対象が、放たれたションベンという液体に移り変わってしまう。例えばの話であるが、掲示板などで似たようなションベンフェチのゲイと出会ったとしても、ションベンプレーのプロセスの後半に発生しうる射精イベントに付き合うことができない。ションベンのぶっかけ合いはしたいが、その後、ムラムラした欲望は、相手のションベンという液体だけにぶつけて処理したい。どういうことかと言うと、相手という人間の男とはバニラセックスすらしたくなくなってしまう。やりたいことは、相手のションベンを塗りたくった自分の手を使って、自分一人でそのションベンのニオイにつつまれながらイきたい。そう、ションベンだけでイきたいから、プレーの相手がそこにいたとしても、相手がそのションベンを体の外に放出し終えてしまった瞬間を起点として、その相手の人間には興味がなくなってしまうのである。プレー相手が発する「ションベンしたい」とか「ションベンすげーたまってる」ってセリフにはむちゃくちゃ興奮するのだが、ションベンが終わってスッキリしてしまった男には、どう対応していいか本当に分からない。お帰りいただけますか、とも言えないし。(まぁ実際は、飲み物飲んでもらって、ションベンの二回戦に備えていただくのであるが)なお余談であるが、手に塗りたくったションベンはヌメヌメする。ご存じでしたか?
こうして自分自身のことを考えていくと、動物的だなぁと思うことが多々あって、きっとたぶん前世は犬だったのだろうと結論付けている。じゃあ、ためしがきさんってゲイじゃないの?と言われてしまうが、男が好きである。しかも、とても好きである。あとは、自身も男のままでいたい。なので正真正銘のゲイなのであろう。でも、ションベンとか立ちションとかおもらしとかの要素が無い男(あるいはゲイ)とお付き合いをしたところで、セックスはバニラを含めてしたくないし、そもそもできないという問題が生じてしまう。相手もそういう人だったら問題にはならないのだが、そうもいかない。オーラルセックスを求められても、ヌき合いを求められても、そのプレーにションベンがなければ、苦痛の時間に感じてしまう。だから、常に、恋愛を含むすべてのやり取りに疎外感すら感じてしまう。だって標準的なゲイが世間一般的に好きなことについては興奮しないのだから、一体これは何なんだろうって思ってしまう。「ウケですか?タチですか?リバですか?」なんて聞かれた日には、本当になんて答えていいか分からない。というか、自分とは関係ない世界の話における用語だと錯覚してしまうほどに、ウケ・タチは縁がない行為なのである。
「立ちションですか?おもらしですか?おむつですか?オネショですか?おしがまですか?」って質問してくれたら、すぐ答えられる。「ためしがき氏は、立ちションと、おもらしと、おしがまです。」ってね。この質問、ションベン業界以外で暮らす人たちには、「は?」っていう感覚なんだと思う。その感覚が、つまり「ウケですか、タチですか」の問いに自分は当てはまってしまうのだから、ツライ。
道端で立ちションしてるイケメンと付き合いたいわけではないと言ったが、唯一、付き合っても良いなと思う妄想のパターンがある。絶対に現実には存在しないシチュエーションにはなるが、目の前でションベン我慢の限界をむかえたタイプの年上イケメンを、ためしがき氏が「ションベン漏らしちゃったんですね、もう大丈夫ですよ。さあ、こっちへ」なんて言って拾って、よしよしなんて慰めながら、その男が懐に入ってくるような感じだったら付き合ってやってもいい。要は、これくらいションベンという要素が成分として含まれていないと、恋愛感情のスイッチが押されないのである。無理でしょ、こんな出会い。現実的に。
あとは、ションベン管理の甘いだらしない男とか、計画的にトイレに行ってなくて渋滞でションベン出そうなんていう男だったら、付き合いたいと思う。これは恋愛感情なのか、それとも別の何かなのか。もう「付き合う」の意味が変わってくる領域にまで達していると思う。買い物に“付き合う”とか、その程度の付き合うことと、お付き合いの境目が分からなくなってくる。そういうションベン管理に甘い場面を多く見たいだけなのかもしれない。
女性のオシッコには性的興奮を覚えないのであるが、男の場合ではションベンという成分なしでは興奮しないのだから、実はそういった意味ではバイセクシャルな一面も持ち合わせているのかもしれない。ただ、男がションベンしているところが好きで好きでたまらないという大前提は、自己を形成する核心でもあるから崩したくない。ツイートで流れてくるノンケ向けの「女のションベン我慢」の動画をうっかり見て勃起したことはあるが、女物で勃起する自分に嫌悪を抱いた。だからあまり女のションベン動画は見ないようにするし、意識的に避けていたりする。このあたりはよく分からないが、男が好きな男としての自分、もしくは男のションベンが好きな自分という自己の存在には悩んでいないし、むしろそういう自分は好きなようである。他方で、現代の女性アイドルは好きで、顔と名前が一致する。イケメン俳優もある程度分かるのだけれども。
ツイッター上のプロフでは一応、自分をゲイとカテゴライズし、かつ呪文のような161*57*35という文字列を掲げている。にもかかわらず、自分はLGBTQの当事者という感覚も意識も正直ほとんどなく、ピンとこない。だから、クエスチョニングなのでは、という意見は積極的に受け入れたい。男のションベンだけが好きという異常性癖の上で、いろいろな性的指向の諸問題の議論に加わるのはお門違いと自分自身が感じてしまうし、とはいえションベンに対して覚える興奮は“モノ”に対することだから、そもそも階層が違うということも頭の中では理解できている。ゲイという階層の中にある数あるフェチ・嗜好(指向ではなく)の1つがションベンという捉え方も、もちろん分かってはいるし、誤解されたくないがそもそも性的マイノリティとフェチは同じだと思っているわけでもない。でも、そこに行き着く前に、男性とションベンは切り離せないのが、ためしがき氏の特性なのである。(他者からこれを個性として受け入れられたいとまでは思っていない。さしでがましい。)それに、立ちションをしちゃうような「やんちゃな男性」、「だらしない男性」、「ワイルドな男性」に惹かれる部分だけ切り取れば、対人間に関する感覚だから、自分の意識は男性に惹かれる男性であって、ゲイなのである。でも、ションベンという成分を放っていない男は惹かれないし愛せない。
でもさ、細かいことを考えていても楽しくないから、最近はこう考えることにしている。「ションベンを出し終わった瞬間の男でも、10分後にはきっとその男の体は0.1mL程度のションベンが作られ、それが膀胱に溜まっている」と考えるようにして、常にションベンを隠し持ってることを期待して、目前の男性を見るように努力することにしている。そうすれば、その男に興味を持たない時間が、たったの10分程度になるのだからね。