英字一文字で表すなら「P」なんだが

 ゲイ動画を購入することがある。いわゆる、課金勢なのだ。以前、FC2ブログで運営していた「ためしがき3」時代に、アフィリエイトとして紹介していた某サイトで、今は自分が顧客としてデジタルコンテンツの買い物をしている。とはいえ、購入頻度は半年に1本程度だから、かなりのライトユーザーだ。一昔前の、DVDで作品単位での購入とは違い、今は比較的短い20分程度の動画が、1,000円以下で買えてしまう。更にはDVDとは違い、隠しておく必要もなければ、再生は購入したサイト上でログインしてストリーミングとして見るから、PC本体にデータが残らない。手軽でいい時代になったなぁと、つくづく思う。

 課金していることから分かるとおり、金銭を支払ってまで見たいものが、そこにはあるということになる。驚かれるかも知れないが、実はチ●コも勃起チ●コは特に苦手である。アナル★セックスや“身寸米青”にも、一切興味がない。(★の位置は、「アナル・セックス」の「・」を伏せ字にしてみた)では、どんな動画を買っているのかというと、ノンケらしき男が、マスクマンにしごかれる前に、シャワールームでマスクマンの指示により放尿しているシーンが収められているシリーズだけを購入し、コレクションしている。「え、ここでションベンするんすか?」とためらう者や、なんのためらいもなく許可が出たら瞬時に勢いよく放尿する男もいて、思わずマスクマンが、

「めっちゃ出るね。我慢してた?」

「はい、我慢してました。」

我慢してたのか・・・(勃起)

 こんな具合に、会話にもバリエーションがあって楽しい。そういった好みの作品はちゃんと購入しないと需要がないと思われるから、好きなのに買っていない人や違法DLしているような悪い子は、買えよ、と思うくらい個人的には支持していきたいシリーズなのである。なお、放尿シーン以外は、基本的には飛ばしてしまう。モデルがタイプなら、なんとなく全部見ることもあるが、それでも感覚としては、テレビ番組のCMを見ているくらいに集中はしていないし、小便シーン以外ではシこらない。

 海外の小便我慢専門サイトからも購入したことが何度かある。2つの有名サイトで購入したが、ああいうサイトってどのくらいの規模で運営しているのかが、当ブログのウェブマスター(自称)の役職に就いている自分としては、すごく気になっていた。モデルはいっぱいいるんだよね、海外のこぢんまりとした背景が暗い小便系有料サイト。

 その2つの有名サイトのうち、1つはリモート上(しかもスカイプ)で、灰色のボクブリ1枚のイケメンノンケ外国人が、小便我慢の指示を出されている内容が基本。30分以上モジモジしながら、熱いため息をハァハァ漏らしながら、必死に我慢する。最後は、うっかりチビリ初めてしまうパターンもあれば、ブチ切れた感じでシャワールームに行き、すごい勢いでおもらしをしたと思えば、「Hold it!」なんて言われて、必死に我慢を再開したけども、一度出たものは止められず。画質はリモートのキャプチャーで、正直イマイチとしか言えないが、とにかく我慢している人間のクオリティも高く、そして我慢の時間もすごく長い。だから、視聴する側も30分以上はパンツを脱いだままでクライマックスまで待機してしまう。冬場にはそんなオナニーは寒かった。

 もう1つのサイトは、ひたすら我慢させながら、ビリヤードをさせられたり、教室の机のようなセットでテストを受けさせられたり、採用面接風な場面を演じたりと、ちょっとドラマ仕立てでエンターテイメント的だったりした。どちらのサイトも、30分程度の動画が当時は2,000円程度だったが、今では対米ドルのレートが異なっているため、円に換算するともう少し高いはずである。ただ購入には、やはり固定概念から海外サイト特有の“怪しさ”は否めない。そのためクレジットカードは、それ専用に無料カードを別途用意して、万が一の不正利用にもすぐ気づくように対策した。でも、その2つのサイトで購入したが、そういった心配事は一切起きなかった。通貨がUSDであることを確認してから決済すれば、請求金額の問題も当然起こらない。

 このように、男性の小便動画を課金して集めている立ちション・小便フェチで、ゲイを自認している自分である。しかし、自分が一体何を求めているのか分からなくなることが実はよくある。“体”も“性自認”も“恋愛対象”も全て“男性”で、他者からも一人前の“男性”として扱われたい。ただ、自身の性欲のスイッチを入れるのは、“立ちション”とか“小便”という行為および体液なのであり、例えどんなに好きになった人でも、バニラ以上のことはたぶんこの先もできないと思う。余談だが、バニラ以上の経験も持ち合わせない。だから実生活や職場でも、恋愛の話を振られると、「童貞です。皆さんは最後にやったのいつなんですかぁ?いいなー」とド下ネタに切り替えて聞き返したりして、完全に気持ち悪がられるというネタのような存在となり、逃げている。でも、これ(童貞)嘘ではないんだよなぁ。でも、逃げているのは確か。それくらい、自分でも分からないことがたくさんある。37歳になってもだ。

 いつかの過去の記事にも書いたと思うが、道端で好みのリーマンが堂々と立ちションしていたら勃起する。勃起は、男性の精子を女性の膣に安全に届けるために膨張する現象であると、保健体育で習った。では立ちションに勃起は、「膣はどこへ消えた?」の状態である。あ、「チーズはどこへ消えた?」だったかも。

 仮にもし、その立ちションをしていたリーマンが、立ちションを見て興奮する私に対し特別な感情を抱いてくれれば、恋愛はその瞬間には成立するかも知れないが、立ちションをしていないその男性そのものと、その彼と過ごす時間に対して、その後も魅力的だと思う感情を持続的に抱き続けることができるのかと問われれば、それは別問題になってしまう。その男性に、「また立ちションしてよ」とお願いをして、“見せてもらっている間だけは、あなたが好き”ってのも勝手な話である。それでいて、夜の営みはバニラ。だめだろう。最後の可能性としては、小便管理がゆるゆるで、しょっちゅう立ちションをしちゃうようなダメ男なら、好きになってしまうかもしれない。

 話の中心をゲイ動画に戻したいが、動画サイトのサンプル動画で見た中で、深く考えさせられた動画がある。その内容が全て演出であるという憶測的な前提は除いた上で要約すると、目隠しされたノンケは、最初に女性と本番行為をしていて、途中で行為がフェラやら手コキに切り替わったとき、女性が男性にすり替わるのである。もちろん、隣で女性は、効果音としてクチュクチュ音や「イきそう?」などと声をかけ続ける。ノンケは、一連の行為はその女性の手によるものであると誤認した状態でイく。最終的にはネタバラシをしないという内容構成にも感心した。素直に、おもしろいなぁ、と。ネタバレして、ノンケを「うわー」と落胆させないことは、出演ノンケと視聴者への配慮だとも感じた。つまり、それを消費するゲイの視聴者は、知らぬ間に途中から男にフェラされて、なおもよがり続けて気持ちよく射精するノンケを見て楽しむわけである。(まぁ、どうせ全て演出なんだから、こんな考察は根本的に意味をなさないのだが)

 また、ゲイ動画においては、マスクマンにしごかれているノンケは、ことの最中にはイヤホンを装着し、眼の前のノートPCでノーマルAVを凝視しているという状況は珍しいものではない。耳と目からの情報による性的興奮は、今のそれが男の手とクチによる刺激であることを忘れさせているからイけるのであり、それで販売コンテンツの商品として成り立つ。イヤホンもノーマルAVもなしで、ノンケが男でイけなかったら、商品にならないのである。

 ここで、ふと“小便”という体液に興奮する自分は、女性の小便と男性の小便の区別がつけられない状況があるのではないか、という謎のテーマにぶち当たった。なんの脈絡もないかもしれないが、小便は男女共通の体液なのである。だって、女性の精子はないじゃん。精子だったら、それは絶対に男性のじゃん。っていう話なんすよ。

 Twitterをやっていると、意図せずに女性の小便動画に遭遇してしまうことがある。女性器は勃起チ●コ同様に苦手だから、そこは絶対に見たくない。でも、それが写っていないものであれば、必死に小便を我慢している女性は魅力的だし、アスファルトで野ションしているときのピチャピチャ音は、男性の立ちションの音とあまり変わらない。もちろん、女性のほうが放尿の勢いは強いし、放尿線は太いし下品に飛び散るところは違う。また、いわゆるその界隈で有名な「シュイイー音」は女性特有なエロさだとは思う。(ちなみに男も、水着とかでおもらしすると、シュイイー音が出る。それは稿を改める予定でいる。)そういう女性モノを見て自分はシコったりはしないが、微妙なラインのエロさは感じる。変な例えになるが、性的魅力を感じる範疇外に存在する「おじいさんの立ちション」に近いレベルのエロと言える。そして、そのエロさのカケラを女性のおしっこに感じてしまうことは、なぜだか「悔しい」と感じてしまうのである。立ちション好きだから、おじいさんの立ちションには興奮しないけど、そういう誰かが立ちションしていたら、どこ目掛けて立ちションしてるのかな?くらいの興味で、3度見を通り越して、もと来た道を後戻りして、2回くらい後ろをゆっくりすれ違ったりすると思う。おじいさんの立ちションフェチを否定しているわけではない。おじいさんの立ちションに興奮する人であれば、この文脈は「自分が性的興奮の範疇外の誰かが立ちションしていても、つい見てしまう現象」と置き換えて解釈してほしい。

 じゃあ、何が「悔しい」のかというと、やはり「トイレ以外で小便をしている行為」と「小便そのものの体液」に興味・感心があることが悔しく、人間に興味がないことがなんとなく自覚できる瞬間であることが悔しいのと同時に怖い。道路に落ちているペットボトルに詰め込まれた小便は、それが男性器特有の構造上、男性だけがションベンをペットボトルに入れられるのだと分かっているから、ペトションをしている現場そのものを目撃していなくても、黄色い液体が男性のものと認識し、興奮する。では、目隠しされたゲイビデオのノンケのように、女性が漏斗を使ってペットボトルに小便を詰めていたモノが落ちていても、私は興奮してしまうだろう。この話題、深くない?アタマがぐるぐるしてきたので、また整理がついた頃に、いろいろ思うことを、ここにメモしければと思っている。

 この手の話題は、虹のようなグラデーションであるというお決まりの例えがある。とりあえず私は、その虹の薄い黄色の部分あたりにスポイトを下ろしたい。スポイトでなくても、弁当用の醤油を入れる透明な魚でもいい。それで虹の一部を吸い上げて、家に持ち帰り、それを単色で眺めて自分の色が何なのか、ゆっくりと確定していければなぁ、と考えている。