北京駅のすごいションベンスポット

 基本的にはトイレ以外で用を足しちゃっている男のことを考えている時間が一番幸せでムラムラなのだけれど、たまにはトイレのことも考えてみたいと思う。とにかく、トイレのことで言えば、いろんな種類の小便器をためしてみたいと、強く思う。いろんな小便器?こんなことを思ったのにはやっぱりきっかけがあって、今回はその出来事について書いておきたい。

 そのトイレは、中華人民共和国にあった・・・。初代ブログからの読者のみなさまならひょっとしたらご存じかもしれないが、ためしがき氏は昔、格安航空券での一人旅にハマっていて、中国にも行ったことがありまして。主にノースウエストやらユナイテッドの以遠権で約24,000円くらいで行けていた想い出。いつかは忘れたけど、乗っていたノースウエストの香港便がエンジンから白煙出て、白人のスッチーが消化器持って走ってきたときは、「死んだ^^」って思ったけど、その程度の恐怖ではオシッコ漏らさず。恐怖失禁って、どのくらいの恐怖が身に起こったらいいのだろうか。恐怖失禁したい。

 話を戻すと、北京駅の待合室の男子トイレがすごかった。記憶をたどると、確か中国の長距離列車の駅は飛行機の搭乗に少し似ていて、乗る列車が来るホームに繋がる階段の前で、切符を使い改札をするスタイルで、とにかく改札前の巨大な待合スペースには、大勢の人がいる感じだった。そこにあるトイレも、当然のように混んでいて、その混み具合といったら、日本の花火大会とか有名公園の花見ぐらいの勢いはあった記憶である。列車を利用した時期や時間帯が悪かったのかもしれないが、とにかくすごかったのである。

 とりあえず、乗り込む予定の天津行きの改札が始まるまで時間がたっぷりあったためトイレへ向かうと、なんと小便器は壁式。壁式なんだけれども、小便を落とすところは足の位置ではなく、ある程度高さがあって、その小便を受けるところはタイル張りで、小中学校の校庭なんかによくあるような手洗い場兼水飲み場みたいな作りで、日本には絶対にないような形状だった。色までしっかり覚えている。茶色と白のタイル張り。日本では見たことがないデザインだったから、完全に手洗い場に放尿しちゃってる錯覚になったのである。

 それだけならまだいいが、先に言ったとおり、ものすごく混雑していた。いわゆる壁式なので、1人ごとの放尿スペースが保たれにくい。なので、みんな肩が触れ合う距離感で、隙間があれば、とにかく下半身を突き出して、我先にと放尿をしようとしていた。人によっては列車の発車時間もギリギリだったりするのだろう。本当に、この当時は並ばない(≒並べない)人たちがそこにいた。今思えば、巨大な駅にあるトイレにしては、壁式小便器の大きさは、決して大きくなく、適度なションベン・ディスタンスを確保するならば、大人が5~6人立てばいっぱいである。そこに彼らは平気で8人がひしめき合い放尿する。

 自分より1列斜め前で放尿をしていた男が、すごく高身長のイケメン君で、その時まだくるぶしソックスが中国になかったのだろう。ハーパンにスニーカーなのに靴下がロングだったけれども、それにもかかわらず後ろ姿(小便の後ろ姿)はかっこよくて、見とれてしまった。斜め前だったから、壁式のタイルに小便をすごい勢いで打ち付けているのが見えてしまった。自分の番になり壁の前に立つと、今度は、そのイケメン君に入れ替わるかたちで、隣にはどんな容姿か知らないが、とにかく男が超近距離で立ち、おもむろにションベンをジョーっと音を立てて放っていく。今度はそれと反対側の男が入れ替わって、またジュージュー音を立てて放尿する。

 最後、トイレから出る瞬間にもびっくりすることが起きた。掃除道具のモップなんかを洗うような場所で、放尿しちゃっている男がいたのである。しかも、複数。その男たちのことを弁解すると、その洗い場も小便器と全く同じタイルのデザインであったし、ほぼほぼ便器と変わらないのである。ただ、小便ゾーンと違うのは、モップを洗うところには、小便を受けるような高さはなく、排水は足の位置であり、実はこちらの方が日本の壁式小便器に近い。広さはないため、大人2人でいっぱいである。ただ、水道の蛇口があったので、あれは完全にションベンを放つ場所ではないと思われた。情景が凄すぎで、列車の改札が始まる前で、ためしがき氏は数回トイレに行き数滴のションベンをひねり出していた。とってもとっても楽しい旅行だった。(ちなみに、モップを洗うところでは子供も放尿をしていた。当時の中国では常識だったのかもしれない)別件であるが、中国では個室のトイレにも鍵がないことが多く、何度もニーハオした。

 その光景が忘れられず、いまだにトイレの放尿ならこれくらいのレベルじゃないと興奮しなくなってしまった。この出来事を境に、生きているうちにいろんなタイプの小便器で放尿したいと思うようになった。以前住んでいた地区の公園には、ステンレスの小便器があったと記憶している。今思えば、あれもあまり見かけないものだったので、もう一度利用してみたい。

 北京駅は、どうやら画像検索すると今はピカピカな場所になっているようである。あのトイレはもうなくなってしまったのだろうか。今となっては場所も不確かであるが、仮にそのトイレがなくなっていたとしても、また旅行には行ってみたい。