ペットボトルで作るお手軽小便器

 外出先には必ずあるのに、家にはない不思議、それが小便器。「大は小を兼ねる」って言葉の出典は、大便器は小便器にもなるってことで合ってます?田舎の大きな家には、小便器があったりするらしいのだが、いくら稼いでもそういった家を建てることはできないのが現実である。

 男にとって小便器があるメリットとは、まさに立ってできる、ということなのは間違いないだろう。家のトイレで立って小便ができる状況にいるのなら、そこで立ってすればいいのである。(話は逸れるが、「家のトイレ」って言葉は一般的に小便器が含まれないことは、なんとも興味深い。)住んでいるところが風呂・トイレ一体型のユニットバスなら、一人暮らしの男だと家でも立ってやる人は多いと思う。なぜなら、掃除がラクだから。でも、トイレと風呂が別の物件だと、男でも座りションを選択することもあるだろう。かくいう、ためしがき氏もトイレと風呂が別の物件に住んでいて、トイレ掃除がめんどくさいため、家では座ってやっている。でも、男だから、家でどうしても立ってションベンしたい。立ってしたいのだ。

 先日、いつも使う店舗とは別の100円ショップを訪れたとき、どこに何が置いてあるのか分からず、普段はまったく用のないペット関連のコーナーを通りかかった。そこで目についたのが、「観賞魚用 エアーチューブ 水槽用 3m」という商品。かねてより家に小便器を設置したかったので、このチューブとペットボトルを利用すれば、自作の小便器が作れるのでは?と思い、実践することにした。

 頭の中では、ペットボトルのフタに穴を開け、このチューブを通して接着剤で固定するという簡単な設計をしていたのだが、100円ショップには「ペットボトルキャップ ストロータイプ」という商品まで売っていた。そう、ペットボトルのフタの代わりに装着して、ストローが挿せる代物だ。これを使えば、元々のフタに穴を開ける面倒な作業をしなくて済むと考えた。このペットボトルキャップストロータイプは、ストローが置いてあるキッチン用具を揃えるコーナーに陳列されているはずである。ぜひ探してみてほしい。なお、似たようなタイプの商品は複数あったので、好きなものを選べばいいだろう。

 ペットボトルは1.5リットルのものを用意した。用意したというか、たまたま家にあったものである。500mlだと小型、2リットルだと大型な小便器が作れる。カッターでペットボトルの底を切り落とし、ハサミで適当に小便器っぽいデザインとなるよう、U字に切り落としてみた。刃物の扱いには、くれぐれも気をつけられたい。

 チューブとキャップを接続すると、このようになる。しかし、キャップのストロー用の穴とチューブの口径が異なるため、このままだと確実に液体はこぼれてしまう。

 微調整として、とりあえず今回はチューブにビニールテープを巻き、チューブ側に厚みを設けることにした。同時に、チューブとキャップを接続したあと、念のため外側からも更にビニールテープを巻きつけ、強度をつけることにした。ここが抜けると一番厄介だろう。ただ、ビニールテープの耐水性には疑問が残るため、もっといい方法があるはずである。

 ペットボトルのキャップ部分の外見はこんな感じになった。白いビニールテープなので一体化して目立たないが、3周くらいテープをぐるぐる巻いている。

 想定されているペットボトルキャップの本来の正しい使い方は、ペットボトルの飲み口に装着してストローを挿して飲み物を吸うことなので、空気孔として小さな穴があいている。今回はテープなどで塞いでしまおう。というか、塞がないと、この穴から液体がポタポタ漏れてしまうので注意が必要である。

 自作ペットボトル小便器を壁に装着する方法として、吸盤タイプのフックを買ってみた。ペットボトルに適当な穴をあけ、そこにフックを通すことで、壁に固定することができる。耐荷重は、3kgのものを選んだ。後で気付いたのだが、我が家の風呂場の壁は、どうやら磁石も付くようなので、磁石タイプのフックに変更予定である。ただ、この吸盤タイプのものも、一度も落ちるようなことはないので安心してよさそうだ。吸盤や磁石が付かない場所、とくに屋外などに設置する場合は、S字フックなどで代用する必要があるだろう。腰の高さである必要があるため、設置場所の調整が実は案外重要である。

 ペットボトルをカッターで切った部分はやや鋭利なため、ここにビニールテープで縁取りをした。小便器をデコっている気分である。楽しい。これで万が一、ペットボトルの切り口にあたってしまっても、ソフトな肌触り。

 チューブの先端、つまり排水部は、今回は設置場所が風呂場としたので排水溝に直結させた。排水口のゴミ受けの網がチューブよりやや細かったため、チューブを押し込むだけで固定することができた。シャワーの水などで水の通り具合を確認して、問題なければこれで、自作トイレの完成である。(いきなりションベンで試す必要はないのである。良い大人はテストには普通に水を使おうね。)

 このお手製・DIY小便器は、アウトドアでも活躍するかもしれない。(※アウトドアなんて一切しないからよく分からない無責任な発言)あるいは、防災グッツとして簡易小便器にもなり得るかもしれない。ペットボトルを黒のビニールテープやポスカなどのカラーペンでカラーリングを施せば、横から見られても陰部だけは隠すことだってできるはずである。チューブの先端を、ポリタンクやバケツに収まるように設置しておき、事後にまとめて処理するようにすると、立ちションのように地面を汚さない。外であればチューブの先端を下水溝に流れるように配置しておくなどすれば、災害時にも役に立ちそうである。そもそも、トイレ以外で男が立ちションすると、ションベンが撒かれる場所が一定ではなく、思い思いの場所に、無遠慮に撒き散らすから不衛生になり得るのだ。このペットボトル小便器があれば、ションベンされるエリアを一箇所にまとめることができるので、そういった観点から言えば有能だし衛生的と言えるだろう。ペットボトルなので、ある程度の耐久性もあるし、他方で不要になっても捨てやすく、使い捨てできる。

 100円ショップでも材料が揃えられるため、予算300円前後で作れてしまうことが、このペットボトル小便器の一番の魅力かもしれない。もちろん、大型ホームセンターなんかにも、ビニールチューブや、自作小便器の部品となり得るものは売っている。もっと凝った自作小便器や、このペットボトル小便器の改良案があれば、ぜひとも提案してほしい。