ステンレス小便器で放尿がしたいから、してきた

 少し前にTwitterでもつぶやいたことなのだが、多摩川沿いの公園にステンレスの珍しい小便器があったと記憶していた。いつ発見したのかは定かではないが、今になって記憶を頼りにGoogle Mapsで見てみると、その場所は「多摩川市民広場」というようである。そして、どうしてもそのステンレス小便器でもう一度放尿がしたくなり、仕事帰りにわざわざ寄り道をしてきたのであった。

 その結果、残念ながら工事中であった。なくなっていた。貴重な小便器がなくなっていた。ステンレス小便器で放とうと、尿意をわざわざ職場からほんのり我慢していたため、工事の柵を前に本当にどうしようかと軽くパニックになった。立ち止まった瞬間、一気にそれまで我慢していたションベンが我慢できなくなるのはご存知のとおり。予定ではここにトイレがあったのであり、脳内放尿オッケーホルモンが爆裂しているのである。ま、場所は多摩川だし、深夜で誰もいなかったため、どうにでもなり、つまりはそうしたのであるが。

多摩川市民広場が工事中の様子。きっと素敵な広場に生まれ変わるのだろう。また機会を作り訪れたい。

 後日、Twitterでステンレス小便器のことをつぶやくと、あるフォロワーさんが有力情報を提供してくださった。その便器は、西高島平駅から行ける赤塚溜池公園にあると言う。その情報を頼りに、早速ためしがきブログ取材班(1人)は、現地へ向かうことにした。

 すると、本当にステンレス小便器が現存していて、しかも2基設置されていた。というのも、多摩川のそれは1基だけで、勝手な想像から、このタイプのステンレス小便器が複数台で設置されていることを想像していなかったので、ちょっと意外でありワクワクした。でもよく考えたら、大きめの公園に小便器が1基というのも稀だろう。ワクワクしたのは、あわよくば偶然、誰かと連れションできないかと思ったからである。2基あれば、隣空いてますよ、ってなるからね。なお、誰も来ず。時間も時間であった。帰りはほぼ終電くらいってところ。そんな時間にここでションベンしてる人間など、精神を病んだためしがき取材班以外に、いるはずがないのである。

ステンレス小便器さまとの再会。いったいどれほどの殿方のお小水を受け止めたのだろうか。

 さて、この日もションベンを溜めてやってきたので、放尿してみた感想を述べていきたい。まず、足元のステンレス部に上がるのかどうか、少し迷ってしまった。多摩川のときは、小便器1基だったため、どのように放尿しようがある程度自由なのであるが、2基あるような場合だと、万が一隣に別の男が来た場合、あんまりイレギュラーな放尿方法だと恥ずかしいものである。つまり、足元のステンレス部に足を上げるのか、またはステンレス部に乗っかからず、やや遠ざかり放尿するのか、どちらがスタンダードなのかという問題である。もちろん、足元のステンレス部には乗らないほうが便器から遠くなるので、ションベン丸見え状態となる。やはり、ステンレス部に乗るのが正解なのであろう。今回は一番スタンダードなやり方でいきたかったため、しぶしぶステンレス部に乗ることにした。

 ちなみに、これは放尿し終えてから気づいたのだが、このタイプのステンレス小便器は、足元のステンレス部分に乗ってしまうことで、また下やら足元にションベンをこぼしてしまうのを防ぐことができていたことに感動した。ステンレス部分に乗っていれば、便器下部のv字部が、かなり体と重なるのであり、要は普通の便器よりもションベンがポタポタと便器の外へ落ちないようである。素晴らしい。

 いざ放尿してみると、垂直となるステンレス部の壁にションベンを当てても、音はしなかった。ステンレスに当たるいつもと違う音を期待したのだが、なんと無音であった。夜の静まり返った時間帯なのに、ションベンの音は無音だった。(余談だが、ションベンの音のASMRって需要あると思う)

 次にションベンの軌道を、下の穴へ向けてみた。すると、ジュルジュルいい音をステンレス君がたててくれた。豪快に泡立つかと思いきや、排水性が高いのか、ションベンは一切溜まることなく瞬時に消えていってしまった。いい飲みっぷり。

 とても楽しい時間であった。目的の小便器で放尿をしただけなのであるが、やはりいつもと違った小便器で放尿するだけで、排泄行為がエンターテイメントに変化するのである。立ちションも、いつもと違うから男どもはエンターテイメントとして楽しんでしまうわけなのである。そして、今回の件で少し考えたことがある。それは、ションベンする時、人は便器の形状にこだわらないのである。「俺、このかたちの小便器は絶対に使わない。」といい、はじめて使う公衆トイレで遭遇した特定の形状をした小便器を避け、別の好みの形状をした小便器を探したりはしないはずである。和式と洋式の場合なら、こだわりがあり、我慢ができるのならば、好みの便器を見つけるまで探すような人もきっといるのであろうが。小便器に対してそんなことをする男はいないはずである。朝顔型小便器も稀な存在にはなったが、朝顔型だからという理由で、個室に切り替える男は存在するのだろうか、と考えたとき、たぶんいないことと想像した。なお、これが壁式小便器だと、それをいやがり避ける男は一定数いるだろうし(消滅したが恵比寿の壁式で、そういう事例を見たことある)、似たようなパターンで仮設トイレの小便器を極端に嫌う男もいて、仮設トイレの側で立ちションしたりする。これについてはまた別の記事でお話したい。

男性目線でステンレス小便器をご堪能あれ。本文中でも触れているが、このように足を足元のステンレスに1段あがらないと、便器までの距離は非常に大きいのである。