やりたいこと、見たいものが多すぎる。立ちションや小便我慢をテーマにしたゲームを作りたいと思い、RPGツクールをコロナ禍の初期に購入していた。プロダクトキーが書かれたメールを見るかぎり、6年前のことである。結局のところ完成はしていない。
でも構想だけはいっちょ前で、未来におけるスマホに内蔵された次世代マイナンバーカードに準じるモノは、人間の行動・記憶・経験をAIが自動でデータベース化していく。そのデータから必要部分を叙述することにより職務経歴書のようなものが作れるので、転職ではそのデータベースが一次選考で利用されることが一般的となった。職種によっては立ちション経験が人より豊富でないと門前払いになってしまうことだってある。当の本人はすっかり忘れているような、営業車の中でこっそりヤったペットボトル小便も、選考に関わる場合に限っては、採用側はその経験の有無をデータベースから検索できる。
「この人は31歳のときに、コインパーキング停車中にペットボトルで小便をしたことがあるようだ。立ちションしなくてエライではないか。はい、一次選考通過!」などという具合である。ゲームはそのうち完成させますね。
見てみたいものも多すぎる。金曜夜の繁華街で見られがちなほろ酔いリーマンの放出時間長めな立ちションも見たいし、キャッチの金髪お兄たんのショートな立ちション(20秒くらいで終わらせないで)も見たい。毎週見たい。やりたいそのことが、世界一周とか高級車を乗り回したいとか、そういう大金がかかるようなことじゃないのは、ある意味幸せなことなのかもしれない。でもなにせ時間が足りない。最近は体力的にもキツイ。40歳ですから。
この前の連休に、一人プチ旅行を敢行した。ネットのいつかのどこかで拾った動画で、
「プッ、プーマ横で?あんなに店に気を使ってたお前が?プーマ横で立ちション?めっちゃションベンの臭いするわ、気ィ悪いわ」
というカメラマンの台詞とともに、2人の連れ立ちションが収められている作品がある。(作品?)Googleマップで調べる限り、それは大阪市内の道頓堀の近くにある電柱で行われたことが分かったので、それを頼りにその場所を見に行くことにした。立ちションスポットは我々にとっては観光スポットとなり得る。いや、聖地か。聖水の聖地。聖水巡礼。実際にそのスポットを見た感想と言ったら、実に普通の電柱ってことだけだった。でもそれだけで大満足だった。動画の中の人に少しだけ近づけた気がした。
画像フォルダに収められた数GB単位の立ちション写真・動画で特定ができる場所に、残りの人生のうちあと何か所に訪問することができるのだろうか。深夜帯なら、できれば同じ場所で立ちションなんかしても楽しいと思う。とは言うものの、現実的には全部の場所に訪れることはできないし、そもそも場所の特定ができないことのほうが多い。新たな刺激となる明日の金曜夜のリーマンの立ちションを求めて待ち続けるより、今は自ら遠くの街へ出向いて、聖水巡礼をしたい気分だった。
見に行きたい場所が本当に多い。